Neurology

脳神経内科

※当院での診療は「脳神経内科」のみとなります※

脳神経外科・内科は、脳・脊髄・神経・筋肉の病気の診療を専門として扱います。具体的には、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、外傷(頭部の怪我・脳しんとう)、脳腫瘍、てんかん・けいれん、慢性的な頭痛、手足のしびれ・麻痺、めまい、物忘れなどを領域としています。
脳は身体全体をコントロールしているため、障害部位によって現れる症状は多岐に渡り、最悪の場合には命に関わることもあります。

当クリニックはMRI検査機器2台、CT検査機器1台を所有しているため、精密な検査をお受けいただけます。また、自覚症状が現れていない状態の脳梗塞や、未破裂脳動脈瘤、脳腫瘍、認知症といった脳疾患の発見ができる「EX脳ドック」もご提供しております。
脳に関するお悩みや心配事がありましたら、お気軽にご相談ください。

受診をおすすめしたい症状と疑われる疾患

次のような症状がある場合には、脳神経外科・内科の受診をおすすめします。
※当クリニックでは、脳神経疾患の薬物療法を中心に、外科的術後の経過観察などのサポートを行っております。

  • 頭痛(頭が痛い・重い)
    よくある症状の頭痛でも、我慢できないような激しい痛みや吐き気・嘔吐・麻痺を伴う場合には、重大な病気によって引き起こされている可能性があります。すぐにご受診ください。
    【疑われる疾患】
    筋収縮性頭痛、片頭痛、群発頭痛、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)など
  • 片側の手足の痛み・しびれ
    両足のしびれ、手の指や肩~腕がしびれるときには、椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患の可能性がありますが、脳神経が原因の場合では「片側の手足に痺れ」が現れます。
    【疑われる疾患】
    脳出血・脳梗塞など
  • 頭を打った・ぶつけた
    「血が出ている」以外にも、ぶつけた後「いつもと違う」と感じたら、早めに脳神経外科をご受診ください
    【疑われる疾患】
    頭部外傷、頭蓋内出血、頭蓋骨骨折など
  • 力が入らない・麻痺
    手足の麻痺は脳卒中の可能性があります。すぐにご受診ください。
    【疑われる疾患】
    脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)など
  • めまい・ふらつきがある
    良性発作性頭位めまい症・メニエール病・突発性難聴などの耳鼻科領域疾患が多くありますが、脳神経外科領域では、めまい・ふらつきに呂律障害(ろれつが回らない)や運動麻痺など脳症状を伴います。
    【疑われる疾患】
    脳梗塞、脳腫瘍など
  • 物忘れ
    物忘れは加齢による正常な現象として起こりますが、脳の病気が原因となる場合もあります。
    【疑われる疾患】
    脳出血、脳梗塞、脳動脈瘤、脳腫瘍、水頭症、慢性硬膜下血腫、認知症など
  • 物が二重に見える・視野が狭くなった・視力が急に落ちたなど目の症状
    脳の病気が原因となって、目の症状が現れることは少なくありません。
    【疑われる病気】
    脳腫瘍、脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳動脈瘤など
  • 呂律(ろれつ)が回らない・いつものように話せない
    呂律が回らないとは、舌が引っかかって、思うように言葉を話せなくなる症状です。
    話している最中に、一時的に呂律が回らなかったり言葉が出てこなくなったりする場合も脳梗塞の前兆の可能性があるため、すぐにご受診ください。
    【疑われる疾患】
    脳梗塞、脳出血など
  • 歩きにくい
    脳神経に問題があると、まっすぐ歩けなくなったり、フラフラして安定感がなくなったりします。
    【疑われる疾患】
    脳出血、脳梗塞、水頭症、パーキンソン病など
  • 意識障害(目覚めない・すぐに寝る)
    脳内出血でも眠ったような状態となって、反応が鈍くなったりすぐに寝てしまったりする意識障害が起こります。すぐにご受診ください。
    【疑われる疾患】
    脳出血など
  • 顔の痛み・けいれん・ゆがみ
    脳の病気が原因となって、顔に痛みやけいれん・ゆがみが起こることがあります。
    【疑われる症状】
    脳腫瘍、脳卒中など

当クリニックでは、脳神経外科・内科のほかに、症状に関わらず全身を診る総合窓口の役割の「一般内科」、心臓・血管に関する疾患を専門的に扱う「循環器内科」も併設しております。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

脳神経外科・内科でよくみられる疾患

頭痛

頭痛とは、頭が痛い・重い状態のことです。よくある症状のひとつですが、頭痛と言っても、「日常的に起こる頭痛」「一次性頭痛(慢性頭痛)」「二次性頭痛(危険な頭痛)」の3つに分けられます。

日常的に起こる頭痛

よくある急性頭痛で、基本的に心配ありません。原因が解消されれば、自然に治ります。

  • 【原因】
    風邪、二日酔い、ホルモンバランスの変化、長時間の集中など
  • 【治療法】
    市販薬を飲み、ゆっくり休養を取れば自然に治ります。

一次性頭痛(慢性頭痛)

いわゆる「慢性頭痛」で、頭痛の約80%を占めます。命の危険はありませんが、慢性的に痛むので日常生活に支障を来します。日本では15歳以上の約3人に1人、約4,000万人の方が「頭痛持ち」として悩まれています。頭痛の原因に合った適切な治療を受けることにより、症状の軽減や発作予防が期待できます。
慢性頭痛は、さらに以下の3つのタイプに分けられます。

片頭痛(へんずつう)

ちょっとした動作で症状が悪化する特徴があります。

  • 【痛む場所】
    こめかみ~目(片側が多い)
  • 【主な症状】
    脈に合わせてズキンズキンとした痛み、明るい光・大きな音・嫌な臭いに過敏になる、吐き気など
    ※一部の方で頭痛の前兆として、視野内にキラキラした光・点・線が見えたり、顔・身体の片側から始まって半身に拡大するチクチク感や言葉が出にくくなったりすることもあります。
  • 【原因】
    はっきりと分かっていませんが、脳の血管が拡張して炎症を起こす「血管拡張説」、脳の過剰な興奮説が有力です。
  • 【治療法】
    痛み止めとして片頭痛用治療薬の使用が開始されています。予防薬や痛み止めを組み合わせて使用し、併せてセルフケアを行うことで、症状の抑制が期待できます。
    また、痛みがあるときは冷やす、静かで暗いところで休む、カフェイン(コーヒー・お茶・紅茶など)を適量摂取すると良いでしょう。

緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)

一次性頭痛のうち、約70%を占める頭痛です。どなたにも起こり得る可能性があります。

  • 【痛む場所】
    首など後頭部中心として、頭全体
  • 【主な症状】
    締め付けられるような重苦しい痛み
  • 【原因】
    精神的ストレス、長時間のデスクワークなど同じ姿勢を続ける、肩こり・首こり、睡眠不足などによる首・頭の血行不良ならびに筋肉の緊張が要因です。
  • 【治療法】
    低周波治療などの理学療法、痛み止めや筋緊張改善薬・抗不安剤などの薬物療法を行います。首・肩こりをほぐす、マッサージ、蒸しタオル、半身浴などで温めることも効果的です。
群発頭痛

慢性頭痛の中では稀なタイプで、20代~40代の男性の発症が多くみられます。一度症状が出ると、1~2か月の間、毎日のように同じ時間帯(明け方に多い)に片側の目の奥・周りが激しく痛みます。こうした発作を半年~2年おきぐらいの間隔で繰り返します。かなり痛みが強いので、発症したら医療機関の受診をおすすめします。

  • 【痛む場所】
    片側の目の奥・周り
  • 【主な症状】
    目の奥をえぐられるような激しい痛みが数時間続きます。上あご~頭の片側に痛みが広がっていきます。目の充血、涙・鼻水が止まらないなどの症状を伴います。
  • 【原因】
    詳しくは明らかになっていませんが、脳の視床下部が刺激を受けることで頭部の三叉神経(さんさしんけい)が痛みを感じて、繋がっている目の奥に広がると考えられています。また、目の奥にある頸動脈(けいどうみゃく)の拡張も関係しているとされます。
    痛みの誘発要因として、アルコール、たばこ、不規則な睡眠、気圧の変化などが挙げられます。
  • 【治療法】 
    群発頭痛では一般の痛み止めは効きません。即効性のあるトリプタン注射薬(自己注射)を使用します。通常、使用後10分程度で痛みが軽減し始め、15分以内にはほとんどなくなります。また、酸素ボンベから純度100%の酸素を吸って痛みを和らげる「純酸素吸引法」を行うこともあります。
    基本的に痛みが出るとき(発作)がほぼ一定なので、発作期間中は就寝前に予防薬を飲むと、睡眠中の頭痛発作の予防が期待できます。

二次性頭痛(危険な頭痛)

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、脳動脈解離など脳の病気に伴って起こる頭痛です。激しい痛みがあります。群発頭痛とは異なり、痛みが1~2時間で治まらない、症状が片側だけではない、涙・鼻水を伴わない場合には、脳の病気が原因の可能性があります。命に関わることがあるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

  • 【原因】
    脳の病気
  • 【治療法】
    病気によって異なりますが、外科的手術、放射線治療、薬物治療など専門的治療がすぐに必要です。

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)

脳卒中とは脳梗塞・脳出血・くも膜下出血のことであり、日本人の三大死因のひとつです。
正式には「脳血管障害」と呼ばれ、脳の血管が詰まる「脳梗塞」と脳の血管が破れる「脳出血」に分かれます。脳卒中では早期発見・早期治療開始が予後(病気の経過)を左右するため、「いつもの頭痛とは違う」と感じた場合には、すぐに脳神経外科や救急科をご受診ください。

  • 【原因】
    いずれの疾患も直接的な原因は「動脈硬化」ですが、発生要因には高血圧、脂質異常、糖尿病、喫煙があります。
  • 【治療法】
    急性期の治療では、脳の損傷を最小限に抑えるために行います。血栓を溶かしたり脳の細胞を守ったりするお薬を使う「薬物療法」や、出血部位を除去する「外科的手術」を行います。発症後4~5時間以内の治療開始により、後遺症リスクを大きく減少させることが期待できます。
    また、回復期においては、後遺症の治療や発症予防のために薬物療法ならびに経過観察を継続して行っていきます。

脳梗塞

脳卒中のうち、約70%を占めるのが脳梗塞です。脳梗塞となった部分は、酸素・栄養が行き渡らなくなるので、脳細胞が壊れて、麻痺や言葉が話すことができなくなったり、意識を失ったりします。
脳梗塞は詰まり方によって2種類に分かれます。

脳血栓

動脈硬化で血管が狭くなり、血小板が固まってきて、最終的に詰まる

脳塞栓

心臓にできた血栓(血液の塊)が、脳の血管を完全に塞ぐ

  • 【症状】
    片側の手足の麻痺・しびれ、呂律が回らない(舌が引っかかって、うまく喋れない)、視野が欠ける、めまい、意識障害など
    ※脳梗塞の前兆として、上記のような症状が数分~数十分で消えてしまうことがあります(一過性脳虚血発作)。自然に治っても、危険な兆候なので、ためらわずに救急車を呼びましょう。

脳出血

ある日突然、血管が破れて発症することがほとんどです。
脳出血には、2種類あります。

脳内出血

脳内の細小動脈が破れて、出血している状態です。

  • 【症状】
    気持ち悪くなる、吐き気・嘔吐、麻痺、しびれ、言語障害など
    ※発症前の前兆として、頭痛・吐き気などが先に現れることもあります。

くも膜下出血

脳を保護する膜である「くも膜」と脳との空間に張り巡らされた動脈内の瘤(こぶ)が破裂した状態です。場合により、すぐに命の危険に繋がることがあります。

  • 【症状】
    物が二重に見える、バットで殴られたような激しい頭痛があります。
    激しい嘔吐や意識を失うことも多くあります。

脳動脈瘤

脳動脈瘤とは、脳動脈の血管が風船のようにこぶ状に膨らんだ状態です。日本人は欧米人の約2.8倍破裂しやすいとされています。未破裂で発見されることが多く、通常5mm以下の小さい動脈瘤のうち、無症状であれば、経過観察となります。

  • 【主な症状】
    未破裂状態なので、基本的に無症状です。徐々に血管壁が増大して、周囲の神経を圧迫する場合には、症状が現れることもあります。破裂すれば「くも膜下出血」となります。
  • 【原因】
    明らかになっていませんが、高血圧、喫煙、動脈硬化、加齢などが発症要因にあります。
  • 【治療法】
    5mm以上である場合や、小さくても症状が現れている動脈瘤の場合には、外科的治療が必要です。
    一般的には開頭して、クリップで動脈瘤を留める「クリッピング術」やテフロンの布で動脈瘤を多い破裂を防ぐ「コーティング術」などが検討されます。ほかにもカテーテルを使った血管内手術(血管の中からアプローチする手術)があります。

脳腫瘍

脳内にできた腫瘍の総称で、良性腫瘍と悪性腫瘍に分類されます。

  • 良性腫瘍
    基本的に、脳の外側にできる腫瘍で、脳を圧迫することで症状が現れます。
    良性でも放置すると脳を圧迫して最悪死に至りますので、治療が必要です。
  • 髄膜腫(ずいまくしゅ)
    脳腫瘍の中で一番多い腫瘍です。脳の周囲の膜から発生します。
  • 下垂体腺腫
    ホルモン異常分泌・視力障害により発生します。
  • 神経鞘腫(しんけいしょうしゅ)
    耳の神経に発生して、難聴の診察の際に発見されることが多いです。
  • 悪性腫瘍
    脳の内側から発生して、脳を圧迫することにより症状が現れます。
  • 神経膠腫(しんけいこうしゅ)
    グリオーマとも呼ばれます。腫瘍が大きくなると、脳浮腫という脳のむくみが生じるので、脳の機能に影響が現れます。
  • 【主な症状】
    頭痛、嘔吐、視力障害、けいれん発作(てんかん)のほか、腫瘍の発生した部位の機能障害(麻痺・言語・視野・聴力など)が現れます。
  • 【原因】
    詳しいことは明らかになっていませんが、遺伝子変異と考えられています。ただし、高脂肪食品の過剰摂取や過度のストレス、喫煙などは腫瘍の進行を助長するとされています。また、多臓器にがんがある方、身内に脳腫瘍の方がいる場合には、そうでない方と比べて脳腫瘍の発症リスクが高まります。
  • 【治療法】
    外科的治療、放射線治療、薬物療法があります。
    良性腫瘍では、正常組織との境界がはっきりしていることから、手術で除去できるケースが多く、完全に除去できれば治癒が期待できます。

てんかん

てんかんとは、脳内の神経細胞の過剰な電気活動によって引き起こされる発作で、繰り返します。子どもから大人まで年齢に関係なくみられ、日本のてんかん患者様は約100万人にも上り、100人に1人程度と決して稀な病気ではありません。そのうち半数以上の方は、服薬することで発作を抑えられます。

  • 【主な症状】
    てんかんと言うと、意識がなくなり、手足が固くなり、白目をむいて、全身をガクガクさせる「けいれん発作」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、てんかんでは過剰興奮が脳内の様々な場所に起こるので、興奮場所によって現れる症状が異なります。
    「てんかん=けいれん」ではなく、あくまで全身のけいれんは発作症状のひとつであり、それ以外にも様々な神経症状が発作として現れます。
    例)身体の一部が固くなる(運動神経)、手足のしびれ・耳鳴りがする(感覚神経)、動悸・吐き気(自律神経)、失神する、言葉が出にくくなる(高次脳機能)など
  • 【原因】
    完全には解明されていません。
    生まれた時の低酸素脳症、脳の先天性異常、遺伝子異常、頭部外傷、脳卒中などの脳の病気というように原因が明らかになっているケース(症候性てんかん)がありますが、病変はなく、てんかんになりやすい体質によって発症する場合(特発性てんかん)もあります。
  • 【治療法】
    薬物療法を中心に行います。これまで日本のてんかん薬は欧米に比べて認可が遅れていましたが、近年認可が進み、治療の幅が広がっています。てんかんのタイプによって使用するお薬は異なり、同じ発作タイプでも患者様ごとの効果を確認しながら進められます。薬物療法で十分な効果が得られないようなてんかんでは、外科的手術を検討します。
    また、最近では脳や脳神経に電流を流す「電気刺激療法」も注目されています。

認知症

認知症は「加齢による物忘れ」とは異なります。脳の病気によって、脳神経細胞の働きが徐々に低下してしまい、社会生活に支障を来した状態となります。加齢による物忘れは「朝ごはんのメニューを忘れてしまい、思い出せない」というものだったのが、認知症では「朝ごはんを食べたこと自体」全て忘れてしまいます。厚生労働省によると、2012年時点で65歳以上の約7人に1人の割合(約462万人)とされ、高齢化によって患者数は増加傾向にあると推測されています。また、65歳未満で認知症を発症するケースもあります(若年性認知症)。

  • 【治療法】
    完治は難しいとされていますが、現在は、進行と症状を抑えるための「薬物療法」と、脳を活性化させる「非薬物療法(運動療法・生活リハビリテーションなど)」が、治療の中心となります。
    認知症を引き起こす脳の病気として、代表的なものは以下の通りです。

アルツハイマー型認知症

認知症の原因の約7割弱を占めます。

  • 【主な症状】
    記憶障害(物忘れ)から始まり、失語(聞こえているが話を理解しにくい、物の名前が分からない)、失認(目で見た情報を形として把握しにくい)、失行(手足の動きは問題ないが、今までできていた動作ができない)などが目立ってきます。
  • 【原因】
    長い時間をかけて、脳にタンパク質が溜まることと考えられています。

血管性認知症

障害のある部分とない部分がまだらに現れるので、「まだら認知症」とも呼ばれます。

  • 【主な症状】
    他の認知症でみられる、記憶障害・失語・失認・失行などの症状に加え、脳血管障害による運動麻痺、歩行障害、嚥下障害、感覚障害といった局所的な神経症状もみられます。
    また、うつ症状、不安、感情表現が乏しくなったり感情のコントロールができなくなくなったりするといった症状を伴うことがあります。
  • 【原因】
    脳梗塞・脳出血などの脳血管障害により、神経細胞に酸素や栄養が行かなくなることで引き起こされます。

レビー小体型認知症

他の認知症とは異なり、発症初期から実際にはないものが見える「幻視」が現れやすいです。

  • 【主な症状】
    状況把握など認知機能障害の変動(日時によって症状にムラ)、転びやすい・歩きにくいといったパーキンソン症状、幻視(実際にないものが見える)、睡眠中に夢を見て叫ぶなどの睡眠時の異常行動、立ちくらみ、うつ症状など
  • 【原因】
    レビー小体という異常なたんぱく質が脳に溜まることによって、次第に神経細胞が破壊されていきます。

前頭側頭型認知症

指定難病のひとつで、人格・社会性・言語を司る「前頭葉」、記憶・聴覚・言語を司る「側頭葉」の変性が起こるため、他の認知症とは異なる症状がみられます。他の認知症と比べて、50~60代と若年で発症する傾向があります。症状は徐々に進行していき、発症後平均約6~8年で寝たきり状態となることが多いです。

  • 【主な症状】
    身だしなみに無頓着になる、万引き・痴漢をするなど社会性が乏しくなります。また、抑制が効かなくなるので、相手に遠慮ができなかったり、暴力をふるってしまったりすることがあります。ほかにも、同じ動作・行動を繰り返してしまう、人に共感できない、感情が鈍くなる、相手の言葉をオウム返しするなどがみられます。
  • 【原因】
    脳の一部、前頭葉や側頭葉前方の萎縮(やせること)が原因ですが、詳しくは分かっていません。

頭部外傷

外から力が加わって、頭部に損傷が起こることを「頭部外傷」と呼びます。
頭部外傷と言っても、軽いたんこぶができるようなものから、脳内出血するようなものまで様々あり、外力の程度によって、病態や予後(病気の経過)は異なります。
一見してどこも損傷していなさそうに見えて、実は脳の中が傷ついていたり、後から症状が現れたりするケースがあります。発生から2~3日は十分な注意が必要であり、症状変化の把握のため、お酒・睡眠薬・風邪薬などは避けた方がよいでしょう。
※当クリニックでは、外科的手術に対応しておりません。必要に応じて、対応可能病院をご紹介いたします。

  • 【主な症状】
    吐き気を伴い、嘔吐する
    段々と頭の痛みが強くなってきた
    手足を動かしにくい、力が入りにくい(脱力)
    けいれんしている
    たんこぶが治らない
    意識がもうろう
    物が見えにくい
    出血がひどい
    血液のまじった水が耳・鼻から出た
    記憶が曖昧
  • 【原因】
    頭部の怪我
  • 【治療法】
    ■たんこぶができたが、ほかの症状はない場合
    患部を氷のうなどで冷やして、安静にしましょう。
    症状に変化がみられたら、すみやかに受診することをおすすめします。
    ■痛み以外の症状を伴う場合
    脳出血など、重大な病気の可能性があるので、すぐにご受診ください。

慢性硬膜下出血

高齢者に多くみられ、アルコールをよく飲む方、血液をサラサラにするお薬を服用されている方では、発症リスクが高まります。
頭部への軽い打撲を引き金に、1~2か月かけて、徐々に頭蓋骨の下にある硬膜(脳と脊髄を負う膜)と脳の間に血液が溜まっていき、血腫ができる病気です。
酔っぱらって転んだ、ドアに軽く頭をぶつけたなどで、本人が覚えていないこともよくあります。
※当クリニックでは、外科的手術に対応しておりません。必要に応じて、対応可能病院をご紹介いたします。

  • 【主な症状】
    頭をぶつけ、しばらく経って(1~2か月後)から、血腫が大きくなって、脳を圧迫するようになると、以下のような症状が現れます。
    ・頭痛
    ・物忘れ
    ・意欲低下、正確の変化、反応が鈍くなるなど認知症に似た症状
    ・歩きにくい
    ・片方の手足に力が入らない
  • 【原因】
    頭部の怪我
  • 【治療法】
    頭蓋骨にドリルで穴を開けて、脳内に溜まった血腫を洗浄する「外科的治療」が必要となります(穿頭ドレナージ)。

当クリニックで対応可能な検査

当クリニックでは、患者様一人ひとりの症状に合わせた、丁寧な診療を心がけております。
何か気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。

  • 血液検査・尿検査
    血液検査
    採血により血液中の血球成分を測定します。身体の状態を調べ、病気の早期発見・早期治療に役立ちます。検査項目は診察から医師が選択して行います。
    尿検査
    尿の中の蛋白(たんぱく)、糖、潜血などを調べることで、様々な病気の兆候を確認できます。
  • 心電図
    心臓が鼓動を打つ際の微弱な電気信号を測定することで、心臓の状態を把握して、心疾患の有無を調べます。
  • 超音波検査(エコー検査)
    超音波は人の耳には聞こえない高い周波数です。身体の表面に超音波プローブ(探触子)を当てて、体内にある心臓やその他の臓器から跳ね返ってくる超音波を画像として映し出して、臓器の動き・形態を詳しく調べます。造影剤を併用すると、血流をみることも可能です。検査による痛み・放射線被ばくの心配がないため、身体への負担が少なく済み、妊婦さんや高齢者の方も検査をお受けいただけます。
  • CT検査
    CTとは「Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)」の略です。身体の外からX線を照射して、身体を透過するX線量をコンピュータ処理することで、身体の連続した断面画像(輪切りになった画像)を作成する検査です。小さい病変の描出や、造影剤を使用することで血流の把握も可能です。近年、高画質でかつ、被ばく線量の低減を両立させた検査機器が登場しています。
  • MRI・MRA検査
    MRIとは、磁気共鳴画像のことです。強力な磁石と電磁波を使って、人体を任意(縦・横・ななめ)の断面で描写する検査です。脳の断面を詳しく見ることができるので、脳梗塞、動脈瘤、脳腫瘍などを見つけられる可能性があります。
    一方、MRA検査は血管の状態を詳しく調べる検査です。MRI検査と同じ機器を使用して行います。
(画像)当クリニックで使用しているMRI/MRA検査機器

当クリニックのおすすめ検査:EX脳ドック

当クリニックでは、MRI/MRA検査機器を使い、脳の病気をピンポイントで調べる「EX脳ドック」を実施しています。
自覚症状として現れていない脳梗塞・未破裂脳動脈瘤、脳腫瘍、認知症などの早期発見が期待できます。早期発見により、早期の治療開始だけでなく、生活習慣の見直しに繋がり、重篤な脳血管障害の発症リスク低減が期待できます。
事前にオンラインで予約・問診・決済していただくことで、当日は検査のみ(約15分)で終了します。

EX脳ドック:https://ex-clinic.com/guide/self/brain_checkup/

脳神経外科・内科で行う治療

脳神経外科・内科では、主に次のような治療を行います。患者様の病態・年齢などに合わせて、治療法を選択されます。
なお、当クリニックでは薬物療法および術後の経過観察などサポートを中心として行っております。
※外科的手術が必要となる場合には、基幹病院をご紹介いたします。

薬物療法

内服薬や注射薬などお薬で症状の改善を図ります。ただし、症状の軽減がみられたからと、自己判断でお薬を減らしたり中止したりすることは大変危険なので、やめましょう。気になることがありましたら、お気軽に医師・スタッフまでご相談ください。

生活習慣の指導

脳血管障害などは、生活習慣病と密接に関係しています。そのため、生活習慣の改善を図らなければ、薬物療法など他の治療を行っても、十分な効果を引き出すことはできません。
以下の点に注意して、規則正しい生活を心がけましょう。

  • 塩分・糖分・脂肪分を摂り過ぎないようにして、栄養バランスの良い食事を摂る
  • 適度に運動を行う
  • ストレスを溜めないようにする
  • 喫煙、過度な飲酒は控える

手術治療

脳神経外科では、血管内カテーテル治療や頭蓋骨に穴を開ける開頭手術があります。
※外科的手術が必要な場合には、基幹病院などをご紹介させていただきます。

  • 血管内カテーテル治療
    カテーテル治療とは、手首・腕・鼠径部(脚の付け根あたり)から1mm以下の細い管(カテーテル)を挿入して治療する方法です。従来の手術と比べて侵襲が少なく、身体の負担が抑えられ、高齢の患者様でも受けやすい治療法です。
    例)脳梗塞に対する血栓回収術、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、頸動脈狭窄症に対する頚動脈ステント留置術など
  • 開頭術
    実際に頭や首などの患部を開いて行います。
    例)脳腫瘍の摘出術、動脈瘤に対する金属クリップをつけるクリッピング術など
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