一般内科とは、症状の程度・部位に関わらず、患者さんの全身を診ることが可能な診療科目であり、最初に対応する「総合窓口」としての役割を担っています。
当クリニックの内科でも、特定の専門分野に限定せず、風邪や胃腸炎などの「急性疾患」から高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)といった生活習慣病、めまい、不眠症、便秘症、喘息などの「慢性疾患」、さらに花粉症治療、予防接種まで幅広く対応しております。
どんな病気も早期発見・早期治療開始が大切です。
現れている症状を「大した病気ではないだろう」「そのうち治るだろう」と思っていても、その原因を調べてみると、実は「重大な病気が隠されていた」ということも少なくありません。
診察の結果、専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関へご紹介させていただきます。
症状が悪化してきた、症状が長引いているといった場合には、早めにご受診いただき、適切な治療に繋げましょう。
受診をおすすめしたい症状
次のような症状がある、症状が続いている方は、受診をおすすめします。
- しつこい咳・痰(たん)・鼻水、喉に痛みがある
- 熱がある(37.5℃以下)
※施設の都合上、当クリニックでは37.5℃以上の発熱がある方は受診頂けません
- 血圧が高い
- 吐き気がある
- 動悸や胸に圧迫感がある
- 胸やけ、食欲不振、胃のもたれ
- 倦怠感(だるい感じ)
- 便秘
- 頭痛、モヤモヤする感じ
- 突然、背中や胸が痛くなった
- 体調不良を感じるが、どの科を受診すれば良いか分からない
当クリニックでは、一般内科のほかに心臓・血管に関する疾患を専門的に扱う「循環器内科」、脳・神経系に関する専門的な「脳神経外科・内科」も併設しております。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
一般内科でよくみられる疾患
疾患(病気)は、大きく分けて2種類あります。
急性疾患
急に発症して、病気の経過が短く、治療期間もあまり長引かない。
慢性疾患
時間をかけて少しずつ発症・進行していき、治療・管理も長期間に渡る。
急性疾患
一般内科でよくみられる急性疾患には、以下のようなものがあります。
感冒(風邪)
いわゆる風邪とは、上気道(鼻~喉までの空気の通り道)感染症のことです。
- 【主な症状】
くしゃみ、鼻水、咳、のどの痛み、発熱など
- 【原因】
病原体の侵入から身体を守る免疫の働きによって引き起こされます。病原体のほとんどはウイルスで、そのうち約3~4割をライノウイルスが占め、細菌感染は1割程度です。
- 【治療法】
細菌感染であれば抗菌剤を使用しますが、感冒(風邪)の多くはウイルス感染であるため、無理をせず安静・水分補給などの対症療法を取れば、1週間程度で自然治癒します。しかし、その間に別の細菌に二次感染する、中耳炎・副鼻腔炎・気管支炎などを合併する、肺炎・脳症などの重い合併症を引き起こす、といったリスクもあるため、注意が必要です。
急性気管支炎
一般的な風邪では、喉から肺までの上気道(気管)に炎症がみられますが、気管支炎では上気道よりも深い部分、肺に枝分かれした「気管支」に炎症が起こります。そのため、風邪を引いてから3~5日後くらいに発症する傾向があります。
- 【主な症状】
咳や痰(粘性)、発熱・食欲不振・全身倦怠感などの全身症状、胸の不快感を伴うことがあります。
- 【原因】
風邪による上気道の炎症が気管支まで広がることにより発症します。原因菌の多くはウイルス感染です。
- 【治療法】
特効薬はないので、安静・水分補給などの対症療法が中心となります。
急性扁桃炎(きゅうせいへんとうえん)
一般的な風邪症状と比べて、症状が強いのが特徴です。免疫の発達過程にあるお子さんの発症が多いのですが、大人でも過労・ストレスなどで免疫力が落ちているときには発症しやすい傾向があります。治療が遅れると、合併症を引き起こし、入院治療が必要となる場合があるため、早期に治療を開始して、最後まできちんと治療することが大事です。
- 【主な症状】
高熱、喉の痛み、食事が飲み込みにくいなど
- 【原因】
喉の奥の左右にある「扁桃」のウイルス・細菌感染
- 【治療法】
薬物療法が中心となります。
急性咽頭炎(きゅうせいいんとうえん)
咽頭炎とは喉の上方の炎症です。自然治癒しますが、重症化すると窒息リスクが高まるケースがあるため、1週間以上症状が改善しない場合には受診をおすすめします。
- 【主な症状】
喉の痛み、声がかすれる、喉がヒリヒリする、咳・痰が出る、発熱など
- 【原因】
主にウイルス感染ですが、気管支炎や声の使い過ぎ、花粉症などのアレルギー、喫煙、空気の乾燥などが発症要因となることもあります。
- 【治療法】
通常、安静にしていれば自然治癒していきますが、必要に応じて薬物療法を行います。
肺炎
肺炎は細菌やウイルスによる感染症で、日本人の主な死因のひとつです。免疫力の弱い子どもや高齢者などの発症が多いですが、大人でも感染します。一般的な風邪症状と比べて重く、症状が長引く特徴があります。放置すると重症化しやすいので、高熱や激しい咳が3日~4日続いたら、必ず医療機関を受診しましょう。
- 【主な症状】
咳、発熱、胸の痛み、痰、息苦しいなど
- 【原因】
細菌・ウイルス感染
- 【治療法】
薬物療法
感染性胃腸炎(食中毒)
感染性胃腸炎は「お腹の風邪」「胃腸風邪」とも呼ばれる感染症で、毎年、春から夏は細菌感染、秋から冬ではウイルス感染の胃腸炎が流行します。特に、汚染された食べ物・飲み物から感染した場合を「食中毒」と呼びます。症状がある間はシャワーのみか、最後に湯船に入るようにしましょう。症状がなくなっても、感染後2週間程度、便にウイルスが排出されるため、しっかり手洗いすることが大切です。
- 【主な症状】
嘔吐、吐き気、下痢、腹痛、微熱(1~2日)など
- 【原因】
細菌・ウイルス感染です。感染経路は、感染者との接触、病原体の付着した手で目・鼻を触る、ウイルス・細菌の付着した食品や水を摂取することです。
- 【治療法】
症状は3日~1週間程度で徐々に改善していきますが、乳幼児や高齢者では嘔吐・下痢による脱水症状が起こりやすいので、こまめな水分補給、安静、整腸剤内服などの対症療法が必要です。
急性胃炎
胃粘膜に炎症が起こることで、日常でよく起こりやすい病気です。
- 【主な症状】
急に胃・みぞおちがキリキリ痛くなる、吐き気、膨満感(お腹が張って苦しい感じ)、胃のむかつきなど
- 【原因】
コーヒー・緑茶・香辛料といった刺激物の摂りすぎ、薬の副作用、食中毒、細菌・ウイルス感染、アルコール、ストレスのほか、胃腸疾患・肝疾患などの病気が原因となる場合もあります。
- 【治療】
基本は原因の除去です。消化の良い食べ物(おかゆ・うどん・スープなど)をよく噛んで食べるなど胃の安静を取りつつ、刺激物の摂取や喫煙、ストレス・過労を避けましょう。併せて、胃酸分泌を抑える薬など薬物療法も行います。
花粉症
花粉症は花粉によって起こるアレルギー疾患で、医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれます。全世代で約3人に1人の割合で罹患しているとされ、今や国民病のひとつです。原因となる花粉の飛散時期にだけ症状が現れる特徴を持ちます。
不快症状が続くと、集中力の欠如、睡眠障害、イライラなど日常生活まで影響が及ぶことがあります。一度発症すると自然治癒が難しい病気ですが、適切な治療を行えば、症状の軽減や生活の質(QOL)の低下を防ぐことは可能です。
- 【主な症状】
透明なサラサラ鼻水、くしゃみ、鼻づまりの3大症状が現れます。目のかゆみや全身症状を伴うケースもあります。
- 【原因】
スギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉
- 【治療法】
原因の回避と薬物療法が中心となります。
膀胱炎(ぼうこうえん)
膀胱の中で細菌が繁殖することで、膀胱に炎症が起こる病気です。男性と比べ、女性では尿道が短いため、膀胱へ細菌が侵入しやすく、圧倒的に女性の発症が多くなっています。
- 【主な症状】
頻尿(尿が近い)、血尿(尿に血が混じる)、排尿時の痛み、濁った尿など
- 【原因】
尿意を我慢する、冷え・便秘、睡眠不足、月経、妊娠、性交渉、糖尿病など基礎疾患の影響
- 【治療法】
薬物療法を中心に行います。再発しやすいので、日頃から水分を多く摂る、トイレを我慢しない、冷え・過労・ストレスを避ける、陰部周りのケアなど発症予防に努めることも大切です。
熱中症
熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることにより、体温調節がうまく働かなくなって体内に熱がこもってしまった状態です。熱中症は外にいたり運動したりしているときだけでなく、室内で何もしていないときも発症することがあるので、要注意です。
- 【主な症状】
立ちくらみ、呼吸・脈が速くなる、体内の水分・塩分が不足することによる手足・お腹の筋肉のけいれんが現れます。脱水症状による頭痛、めまい、吐き気といった症状を伴うケースがあります。重症化すると、高熱や意識障害、異常行動を起こし、最悪の場合には死に至ることもあります。
- 【原因】
高温多湿の「環境要因」、体調不良や子ども・高齢者など「からだ要因」、長時間の屋外作業、水分補給できない状況など「行動要因」が組み合わさって発症すると考えられています。
- 【治療法】
すみやかに涼しいところに身を置くなどの「全身の冷却」、経口補水液などによる「水分・電解質の補給」を行うことが大切です。処置しても症状が改善されない、水分補給ができない場合には、すぐに医療機関の受診が必要です。
慢性疾患
生活習慣病
生活習慣病とは、食事、運動、休養、禁煙、飲酒などの生活習慣が発症・進行に関与する病気のことで、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病などが含まれます。自覚症状がないまま進行するケースがほとんどで、長年放置すると、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患を引き起こすリスクが高まります。治療では「生活習慣の見直し」を第一に、時にはお薬を使って症状の改善を目指します。1~2回の受診で終わらず、長期的な定期検診・経過観察が必要となり、根気よく付き合うことが大切な病気です。
高血圧
高血圧は血圧が高い状態のことで、診察室血圧(病院での測定)で140/90mmHg以上、家庭血圧(家庭での測定)で135/85mmHg以上と定義されています。「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状がないまま、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、腎不全などの重大な病気を引き起こすので、指摘を受けたら早めに対策を取りましょう。
- 【主な症状】
自覚症状はないことがほとんどで、高血圧によって何らかの病気が引き起こされると、症状が現れます。
- 【原因】
遺伝、食塩の摂りすぎ、肥満、運動不足、過度な飲酒、喫煙、ストレス、加齢のほか、睡眠時無呼吸症候群・腎臓病などの病気によって引き起こされることもあります。
- 【治療法】
食事や運動など生活習慣の見直しが中心となりますが、血圧の低下が不十分であれば、薬物療法を併用します。
糖尿病
膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモン「インスリン」が十分に働かなくなることで、血液中の血糖値の高い状態が慢性的に続く病気です。患者さん(予備軍も含む)は約2,000万人にも上り、近年増加傾向にあります。高血糖状態が続くと、血管・神経・腎臓・目などにも影響を及ぼし、将来的に心臓病・失明・腎不全・足の切断・がん・認知症の発症リスクを高めます。また、寿命に関係してくるため、糖尿病は早期発見・早期治療開始が重要です。
- 【主な症状】
初期では無症状ですが、次第に喉が渇く、食べているのに痩せる、目がかすむ、手足がしびれる、尿から甘い匂いがするなどの症状が現れてきます。
- 【原因】
糖尿病には、原因から1型・2型に分けられます。
1型糖尿病
膵臓でインスリンを作る細胞(β細胞)が壊れることで、すい臓からインスリンがほとんどでなくなる
2型糖尿病
遺伝的な影響に肥満・運動不足・食べ過ぎなどの環境的要因が絡み合う
- 【治療法】
1型ではインスリン注射、2型の場合には、食事療法・運動療法・薬物療法を併用して、必要に応じてインスリン注射も使って血糖コントロールを行います。
高脂血症(脂質異常症)
生活習慣病のひとつで、血液中の中性脂肪・コレステロールなどの脂質代謝バランスが乱れ異常が起こる病気です。女性と比べて、男性の発症が約2.4倍多いと報告されています。発症しても自覚症状はありませんが、動脈硬化の原因となるため、動脈硬化の進行により、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などの危険な合併症を引き起こす恐れがあり、早期発見・早期治療開始が重要です。
- 【主な症状】
自覚症状はないが、合併症によって症状が現れることがある。
- 【原因】
生活習慣(食塩の摂りすぎ、肥満、運動不足、過度な飲酒、喫煙、ストレス、過労など)、遺伝、加齢
- 【治療法】
食事療法・運動療法などの生活習慣の見直しを基本として、必要に応じて薬物療法を併用します。
高尿酸血症(痛風)
痛風は生活習慣病のひとつで、患者さんの約95%は30代以降の男性です。老廃物の尿酸が増えすぎると結晶化し、関節に沈着するようになります。結晶がはがれ落ちると、関節炎を引き起こし、激しく痛む「痛風発作」となります。痛風の発症背景には尿酸値の高い状態「高尿酸血症」がありますが、高尿酸状態が続くと、痛風発作の再発だけでなく、腎機能の低下、動脈硬化による脳血管障害、心筋梗塞などの合併症を引き起こしやすくなるため、健診などで尿酸値が高いとの指摘を受けたら、放置せず、適切な尿酸値コントロールを行いましょう。
- 【主な症状】
足の親指の付け根や足首の関節に激しい痛み・腫れが突然現れます。
ほかに、足の甲やかかと、稀に手・耳(上半分)にも起こることがあります。
- 【原因】
高尿酸血症に加え、遺伝、高血圧、過剰なアルコール摂取・過食・肥満などの生活習慣の乱れがあると、発症しやすくなります。
- 【治療法】
生活習慣の見直しと薬物療法が中心となります。
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
甲状腺が活発に活動することで、甲状腺ホルモンが多く分泌されてしまう病気の総称です。自己免疫疾患のひとつであり、「バセドウ病」「グレーブス病」とも呼ばれ、20~30代の女性に多い病気です。
- 【主な症状】
動悸・息切れ、暑がり、頻脈(脈が速くなる)、過剰な発汗、睡眠障害、手の震え、体重減少のほか、甲状腺の腫れ、眼球が前に出る(眼球突出)などの症状が現れます。男性では、炭水化物の多めな食事の後や運動後に手足が突然動かなくなる発作(周期性四肢麻痺)がよくみられます。
- 【原因】
直接原因として、特殊なたんぱく質(TSH受容体抗体など)による甲状腺刺激がありますが、詳しいことは分かっていません。バセドウ病になりやすい体質の人が、ウイルス感染、強いストレス、妊娠・出産などをきっかけとして起こると考えられています。
- 【治療法】
甲状腺ホルモンの産生を抑える薬物療法、甲状腺を摘出する手術療法、放射性ヨウ素のカプセルを内服する放射性ヨウ素内用療法があります
甲状腺機能低下症
代謝を司る甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気の総称で、代表的な病気に「橋本病」があります。中高年女性に多く認められます。
- 【主な症状】
疲労感、眠気、むくみ、寒がり、体重増加、記憶力の低下、便秘、皮膚の乾燥などの症状がみられます。分泌低下が軽度だと、自覚症状がないケースもあります。
- 【原因】
慢性甲状腺炎が多く、過剰ヨウ素、バセドウ病などの治療後、薬の影響、甲状腺腫瘍などにより引き起こされることがあります。
- 【治療法】
不足している分のホルモンをお薬で補います。
便秘症
便秘とは、いつもよりスッキリ便が出ない状態・出にくい状態のことです。「よくある症状」として軽視されがちですが、放置により症状が悪化したり、長期化すると外出時に不安を覚えるなど二次疾患を引き起こしたりすることもあります。便秘には原因によって4つのタイプがありますが、便秘によって日常生活に影響を及ぼしている場合には、きちんとした治療が必要です。
- 【主な症状】
排便が週3回未満、硬い便、残便感などが現れます。腹痛、腹部膨満感、食欲不振などの症状を伴うことがあります。ただし、特に強い腹痛・吐き気・発熱を伴ったり、便に血が混じったりしたときには、すみやかに病院を受診しましょう。
- 【原因】
以下の4つの原因タイプがあります。
・水分摂取や運動不足、ストレス、便意の我慢、加齢などによる「排便機能便秘」
・ 腸管の腫瘍・炎症などの病気や術後の癒着による「器質性便秘」
・ 糖尿病・甲状腺機能低下症・パーキンソン病などの病気や生理・妊娠中でホルモンの影響からの「症候性便秘」
・ 薬の副作用による「薬剤性便秘」
- 【治療法】
便を軟らかくするお薬、浣腸・刺激性下剤の一時使用のほか、腹部マッサージやランニングなどによる大腸の蠕動運動を促すこともオススメです。
貧血
貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが少なくなった状態のことです。ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ役目をしているため、「貧血状態=身体の酸素不足」となり、その結果、様々な症状が引き起こされます。
- 【主な症状】
立ちくらみ、めまい、息切れ、疲れやすい、頭痛、動悸など
- 【原因】
貧血の約7~8割は、鉄分不足が原因ですが、ほかにも男性や閉経後の女性に多くみられる「消化管出血」、ビタミンなど他の栄養不足によるもの、慢性腎臓病、関節リウマチなどの慢性疾患に伴うもの、血液の病気が原因となることがあります。貧血の原因を突き止め、適切な治療を行うことが大切です。
- 【治療法】
貧血となる原因疾患があれば、疾患の治療を優先し、それ以外の場合には、食事療法や鉄分補給などを行います。
めまい
めまいとは、身体の平衡が保てなくなる状態です。多くは緊急性のないものですが、めまいに、激しい頭痛、意識障害、ろれつが回らない、手足のしびれなどを伴う場合には、脳卒中などが原因となっている可能性があるため、救急搬送が必要です。
- 【主な症状】
自覚症状は、次の3つに分けられます。
・突然、景色がグルグル回るように感じる「回転性めまい」
吐き気、耳鳴り、耳閉感(耳が詰まった感じ)を伴うことがあります。
・失神そうな感覚や目の前が真っ暗になるような「前失神」
立ち上がったときにクラっとする感覚のめまいです。
・足元がふらつく、宙に浮いた感覚のする「動揺性めまい」
慢性的にめまいが続くことも少なくありません。
- 【原因】
原因の6割は「内耳機能の異常」であり、要因となる疾患には良性発作性めまい症、前庭神経炎、メニエール病などがあります。ほかに、ストレス、ウイルス感染、低血圧、起立性調整障害、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血といった脳の異常が原因となることがあります。
- 【治療法】
原因疾患に合わせた治療を行います。一般的に、内耳機能の異常であれば、生活の見直しや薬物療法を行います。難治性の場合には、手術を検討することがあります。
頭痛
頭痛とは、頭の一部または全体の痛みの総称で、目の奥や後頭部、首との境などの痛みも頭痛として扱われます。頭痛には他に原因となる病気のない「一次性頭痛」と、原因となる病気の症状として現れている「二次性頭痛」があり、片頭痛・緊張性頭痛などのように同じような痛みを繰り返す「一次性頭痛」では、基本的に命に危険はありませんが、日常生活に支障を来している場合には、きちんと治療することをおすすめします。特に、市販の鎮痛薬を週に何度も服用されている方は、薬の使用過多によって頭痛を慢性化させ、治りにくくさせている可能性があります。適切な治療を受けることで、症状の改善が期待できます。また、「二次性頭痛」の中でも脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳疾患が原因の場合には、これまで経験したことがない程の激しい頭痛が突然現れ、手足の麻痺・しびれや高熱を伴う場合があります。命の危険があるため、すぐに救急搬送が必要です。
- 【主な症状】
痛みの感じ方には個人差がありますが、よくある代表的な一次性頭痛には以下の症状があります。
・脈打つようにズキズキする「片頭痛」
・ジワジワ痛い、締め付けられる、圧迫感を感じる「緊張性頭痛」
・定期的に片目の奥からこめかみにかけての激しい痛み、痛む方の目の充血・涙、鼻水、鼻づまりなどの症状を伴う「群発頭痛」
- 【原因】
・一次性頭痛
検査では頭痛を引き起こすような病気は認められませんが、何らかの要因によって痛みが生じています。主な発症要因は、頭痛タイプによって異なります。
・片頭痛
ストレスからの解放、寝すぎ、寝不足、女性ホルモンの変動、疲労、空腹、光・音の刺激などによって、脳の血管が広がり神経が刺激される
・緊張性頭痛
精神的・身体的ストレスやパソコン作業など長時間同じ姿勢を取り続けていることによる頭の横・肩・首の筋肉の緊張、うつ病など精神疾患
・群発頭痛
飲酒やストレスなどがきっかけで、目の後ろにある太い血管が拡張して、周囲に炎症が起き、神経を刺激する
・二次性頭痛
頭部の外傷(けが)、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳疾患
- 【治療法】
一次性頭痛では、生活指導と薬物療法を基本とします。特に緊張性頭痛では、ストレッチ・マッサージなどで緊張状態を緩和させるような生活習慣の見直しが発症予防に効果的です。
不眠症
どなたでも「眠れない」というときがあるかと思いますが、大半は数日から数週間のうちに、自然にまた眠れるようになります。しかし、不眠が長期間続いて、日中の生活に支障を来すようであれば、「不眠症」として、きちんと治療することが必要です。
- 【主な症状】
不眠症には、4つのタイプがあります。
・入眠障害
寝付くまでに時間がかかる
・中途覚醒
眠りが浅くて、途中で何度も起きる
・早朝覚醒
早朝に目が覚めてしまい、その後もう眠れなくなる
・熟眠障害
十分な時間寝ているにもかかわらず、ぐっすり寝たという感覚を得られない
- 【原因】
かゆみ・痛み・発熱など身体的な原因、不規則な生活、ストレス・精神疾患、薬の副作用など
- 【治療法】
原因に合わせて治療していきます。一般的に睡眠導入剤などの薬物治療と、睡眠前に神経がたかぶるような行動(運動・喫煙など)を避ける、日中に太陽光を浴びるなどの非薬物療法を併用します。
腎不全
腎臓の機能が、正常の30%以下まで低下した状態のことです。数日から数週間で急に腎機能の悪化が起こる「急性腎不全」と、数年以上かけてゆっくり悪化していく「慢性腎不全(慢性腎臓病)」があります。急性腎不全では治療によって、腎機能が改善する可能性がありますが、慢性腎不全は現代の医学では治療による改善が難しい病気です。
- 【主な症状】
尿の異常(回数・量・色)、むくみ、動悸・息切れ、貧血、吐き気、高血圧、背中・腰・腹部の痛みなど
- 【原因】
・急性腎不全
急激な脱水、重症の感染症、腎結石など尿が出なくなる病気
・慢性腎不全
糖尿病、高血圧、糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)・多発性のう胞腎などの腎疾患、加齢、尿路結石などによる排尿困難
- 【治療法】
急性腎不全では、原因に合わせて、薬物療法・食事療法を行います。場合によっては、回復まで一時的に透析療法を行うことがあります。
慢性腎臓病では、腎機能の低下具合によって薬物療法・食事療法で腎機能の維持をめざす、極端に機能低下した場合には、透析療法もしくは腎移植で腎機能の肩代わりを行います。
肺気腫(COPD)
これまで「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気です。肺や気管支に炎症が起こることで、空気の通り道(気道)が細くなります。初期では自覚症状がありませんが、ゆっくり進行していくため、症状が現れる頃には病気が進行しているケースも少なくありません。喫煙者に多く発症する病気であり、喫煙している限り、症状の改善は難しい病気です。喫煙者の方で、呼吸器症状が続いている場合には、早めに詳しい検査を受けることをおすすめします。
- 【主な症状】
息切れ、咳、痰、体重減少など
- 【原因】
有害物質(主に喫煙)の吸入
- 【治療法】
禁煙、咳・痰などに対して薬物療法、必要に応じて理学療法(呼吸器リハビリテーション)など
肺気腫は一度発症すると完治することはないため、症状の改善と病気の進行抑制を目的として治療を行います。
喘息
「気管支喘息」とも呼ばれ、気道が炎症して狭くなることにより、呼吸時にヒューヒュー・ゼーゼーするような音がしたり、激しく咳き込んで呼吸が苦しくなったりする発作を繰り返します。大人になってからの喘息は完治の難しい病気とされており、放置は喘息の悪化に繋がります。しかし、適切な薬物療法と自己管理を行って喘息発作をコントロールすれば、日常生活に影響を及ぼさずに生活することも可能です。
- 【主な症状】
呼吸困難、咳が止まらない(主に夜間・早朝)、息苦しくなる、発作時は呼吸するときに喉や胸からヒューヒュー・ゼーゼーといった喘鳴(ぜいめい)がする
- 【原因】
個体因子と環境因子が複雑に絡んで発症すると考えられています。
<個体因子>
・遺伝
・アトピー素因
・肥満
<環境因子>
・喫煙(他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙を含む)
・アレルゲン(ダニ、カビ、ペットの毛やフケ、花粉など)
・感染症(風邪・インフルエンザ・肺炎など)
・気圧・気候の変化
・大気汚染
・ストレス
・アルコール
・食べ物
・お薬
- 【治療法】
薬物療法と悪化要因を取り除く自己管理を基本とします。
お薬では吸入ステロイド薬を中心とした発作を予防する「長期管理薬」と、発作が起きたときだけ使用する「発作治療薬」の2タイプを使用します。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
骨の量が減って骨が弱くなることにより、骨折しやすくなる病気です。日本では約1,000万人以上が罹患しているとされ、近年の超高齢化に伴って、患者数は増加傾向です。
女性に多い病気ですが、高齢男性でも発症します。
- 【主な症状】
発症しても基本的に痛みなどの自覚症状はありません。一方で、軽く転んだり、つまづいて手を付いたりしただけでも骨折し、骨折すると痛みが現れます。特に骨折しやすい部分は、背骨(脊椎)、手首の骨、太ももの付け根です。
- 【原因】
骨代謝のバランスが崩れることであり、特に閉経後の女性に多くなっています。
発症要因には、加齢、ダイエット、喫煙、糖尿病、運動不足、過度の飲酒、慢性腎臓病、遺伝などがあります。
- 【治療法】
薬物療法と並行して、食事療法や運動療法を行います。
当クリニックの診療方針
当クリニックでは以下のような診療方針にて、患者様お一人おひとりに合わせた質の高い治療のご提案に努めております。
患者様に合わせた質の高い検査・治療のご提案
当クリニックは、内科、循環器内科、脳神経外科・内科を専門とする医師が在籍しているので、患者様との丁寧な対話から、適切な検査を選択し、身体のどこに問題があるのか、原因追究に努めます。さらに、保険診療だけでなく自費診療も行っております。患者様お一人お一人のニーズに合わせた質の高い検査・治療法をご提案させていただきます。
待ち時間を極限まで減らすオペレーション
当クリニックでは、可能な限りのDX*1化、院内の効率化を行い、患者様の待ち時間の短縮に努めます。
また、患者様の予定が組みやすくなるように、待ち時間(平均)を掲示しております。
仕事の合間や駅を利用する前後の時間など、ちょっとした空き時間に、お気軽に受診ください。
*1DX:デジタル・トランスフォーメーションの略。デジタル技術によって、人々の生活を良い方向へ変化させる、利便性の高いものに変化させること。
高度な医療機器を用いた早期発見・早期治療
当クリニックはMRI検査機器2台、CT検査機器1台を有しております。
いずれも最新技術を採用し、高画質な撮影が可能なので、より精密な検査が行え、早期発見・早期治療に繋げます。
当クリニックで対応可能な検査
当クリニックでは、患者様一人ひとりの症状に合わせた、丁寧な診療を心がけております。
何か気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
- 血液検査・尿検査
血液検査
採血により血液中の血球成分を測定します。身体の状態を調べ、病気の早期発見・早期治療に役立ちます。検査項目は診察から医師が選択して行います。当院ではアレルギー検査も行っています。
尿検査
尿の中の蛋白(たんぱく)、糖、潜血などを調べることで、様々な病気の兆候を確認できます。
- 心電図
心臓が鼓動を打つ際の微弱な電気信号を測定することで、心臓の状態を把握して、心疾患の有無を調べます。
- 超音波検査(エコー検査)
超音波とは、人の耳には聞こえない高い周波数です。身体の表面に超音波(人の耳には聞こえない高い周波数)プローブを当てて、体内にある心臓やその他の臓器から跳ね返ってくる超音波を画像として映し出して、臓器の動き・形態を詳しく調べます。造影剤を併用すると、血流をみることも可能です。検査による痛み・放射線被ばくの心配がないため、身体への負担が少なく済み、妊婦さんや高齢者の方も検査をお受けいただけます。
- CT検査
CTとは「Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)」の略です。身体の外からX線を照射して、身体を透過するX線量をコンピュータで処理することにより、身体の連続した断面画像(輪切りになった画像)を作成する検査です。小さい病変の描出や、造影剤を使用することで血流の把握も可能です。近年、高画質でかつ、被ばく線量の低減を両立させた検査機器が登場しています。
当クリニックでは、患者様一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診療を心がけております。
何か気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。